気象神社物語 (22)
海の神社(その1) 金刀比羅宮(ことひらぐう)
ご鎮座は神代のころと伝えられ、古くはご祭神大物主の神一柱で、海の神様として厚い信仰を集めています。
海難事故で決して忘れることが出来ないものに、昭和29年9月26日から27日にかけて台風15号による仮泊中の洞爺丸を含む青函連絡船5隻が沈没した大惨事と、もう一つは昭和40年10月6日から7日にかけて台風29号を避けるためマリアナ海域のアグリハン島に避難した日本漁船7隻が遭難した惨事である。
台風時は風力階級10以上(25m以上)になると、海上は山のような大波で、中小型の船は一時見えなくなることもあり、海は一面大きい白い泡の塊でおおわれて風下に尾を引いて流れる。そして、いたるところに波頭はしぶきとなって吹き飛ばされ視界は全く悪く、くわえて 滝のような豪雨に見舞われ状況は想像を絶するものであります。
昭和29年の台風15号は典型的な日本海北上型で、鹿児島に26日2時に上陸し、毎時100kmの猛スピードで大分、松山、広島、米子付近を通過し発達しながら日本海抜け、21時には北海道の寿都沖に向け、まっしぐらに通り抜けました。九州から北海道まで15時間で進み、最大風速は42m/sでした。
被害は死者行方不明1761人、船舶破損3856隻、家屋全半壊3万戸弱等で海難事故の最大級でした。また、昭和40年10月7日の台風はアグリハン島の台風の中心気圧は914mb、最大風速は50m/s、24時間で、この海域では50mb気圧が低下しました。 なお、日本で最も大型台風であった伊勢湾台風(昭和34年9月22日から23日)は最低気圧905mb、24時間で91mb下降しました。
このように、海上では台風は想像を絶しますので、気象情報を効果的に利用しても、大きな惨事になることもあります。
このために、船会社の経営者や漁業関係者は古くから海の神様として厚い信仰を集めている神社「金刀比羅宮」に参拝に出かけます。
金刀比羅宮は主たる祭神は大物主神(おおものぬしのかみ)とともに、相殿(あいどの)に崇徳(すとく)天皇が祀られています。農業殖産、漁業航海、医薬、技芸など広汎な神徳を持つ神様として、全国の人々の厚い信仰を集めています。特に、船関連、漁業関係者には大事な海の神様です。
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