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2008年4月11日 (金)

気象神社物語(25)

        海の神社(その4)  魚業と気象

的確な気象判断がイカ釣り漁船の大災害を救った!

Tenkizu_5天気図昭和32年12月12ー13日

魚業関係者は神社に参拝も必要ですが、気象技術の向上は海難事故や生産向上に寄与します。

台風と違って低気圧や前線の場合、漁業関係者は無関心で思わぬ事故に遭遇することがしばしばあるが、気象と海事関係者が連携し大惨事を事前に救った過去の記録を紹介します。

当時は注意報・警報も信頼に問題がありましたが、昭和32年12月13日東北地方を襲った大旋風の際、好魚場を目前に控えていた300隻の漁船が気象警報(暴風雨警報)を無視して,港外に出んとするところを海上保安庁八戸海上保安部が適切な処置により呼び返し暴風から守った。

この時、命拾いした魚師の一人は「お蔭様で助かりました。今まであてにしていなかった気象を聞いてから出るようにします」と答えたとのこと。

数日前から、とかく不魚をかこっていたイカ魚も、その後好魚が続き、終期とはいえ、300隻の漁船が待機し、いわば、てぬすね引いて午後2時頃、一斉の出魚の体勢にあった。「獲得物を目の前にして」の魚師気質から来る出魚は数日前から極めて旺盛で、当日も暴風寸前まで、湾内のナギもよかったので、注意報程度では出魚していた経験から、出魚せんとする船が八戸測候所から見えて、ぞくぞくと出船の体勢であった。

 しかし、測候所の気圧計は急なカーブを描いて下降し続け、年を通じ何回あるかないかの「暴風警報」である。測候所は出魚する船に対して拘束力はないため、八戸海上保安部へ通報し協力を求めた。保安部は待機中の船に対し、ラジオやスピーカーによる異例の海上警告を行った結果、そのほとんどが湾内引き返せることに成功した。

 イカ釣り船が出船していたら、17時ごろ魚場達し、操業開始を行っていたら大変な惨事になるところだった。八戸測候所で記録した最大瞬間風速は34.9m、平均風速29.8m、前線が午後4時に通過し突風や竜巻が発生している。

 なお、当日の朝、注意報を無視したイワシ巻網漁船5隻は遭難しており、ちなみに青森地方気象台は午前530分風雪注意報、午前1130分暴風警報を発令している。

 最近は、エレクトニクスの発展で船のIT化や通信技術革新で魚業関係者は、的確な情報に基づいて船を出すことができるようになりました。

参考文献「魚業と気象」45号)

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